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シラバス(公開版)
単位(総授業時間数+自習時間):4(60 + 120) |
対象学科:美表4年 |
授業形態:講義 学期:通年 必・選:選択 |
美術表現学科専攻科目 |
大 嶋 貴 明 |
授業概要 |
鑑賞という営みの理論および鑑賞によって成立することの可能性を論ずる。 いくつかの具体的な作品について、「よく見る」ことによってみえてくるものについて、ケーススタディする。また、具体的作品を巡って、「見ただけでは理解できないこと」について検討し、「他者」「仮説される作者」「作品の自立」などについて考察する。 文化遺産にふれる機会を提供し、そのことで、自らの文化的営みと自己形成のための資源化をシミュレートする。 4回の1日美術鑑賞旅行を実施するものとし、そのための情報提供、事前調査、事後のレポート作成を支援もしくは提供する。 |
授業の到達目標 |
学位授与の方針との関連 | ||||||||||
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理論化された鑑賞について理解して、主体的鑑賞行為ができる。 |
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「近代」と「現代」の状況理解が深まる。 |
文化遺産の文化資源化を図ることができる。 |
研修旅行の成果を論理的に説明できる。 |
授業計画 |
回 | 内容 | 自習(事前・事後学習の内容) |
1 | オリエンテーション:文化資源化について 鑑賞論を確認する。 |
事前:「鑑賞」について英訳し、使用後の意味を調べる。(和英、英英大辞典を使用のこと) 事後:「文化機能論」の観点から、講義メモを整理し、疑問点をまとめる。 |
2 | 美術史ゲーム体験:作品間の連続性と分断(美術史と美術理論の可能性) 「近代」への展開:メトロポリタン美術館展の展示から |
事前:2022年に国立新美術館などで開催された「メトロポリタン美術館展」について調べる。 事後:「美術史的展開の連続性と分断性」を中心にメモを整理し、疑問点を明確にする。 |
3 | 「美術」概念の検討 | 事前:「美術」「アート」などの基本概念について、その意味するところを、調べておく。 事後:「感性」「世界観の拡張」の2観点から、講義メモを整理し、疑問点をまとめる。 |
4 | 「近代」と「現代」について。 「ポストモダン」「スーパーモダン」「レイトモダン」、3つの状況論の論点を紹介する。 |
事前:「近代」「現代」などの基本概念について、その意味するところを、調べておく。 事後:キーワードに即し講義メモを整理し、疑問点をまとめる。 |
5 | 比較して見るゲーム体験:作品が表象するもの 作品鑑賞体験1:絵画作品 |
事前:「表象」などのキーワードについて、適宜検索し理解しておく。 事後:個々の作品が内包する、「多重性」「多様性」の観点から、内容を整理する。 |
6 | 「展示鑑賞」は「展示」を鑑賞するか? 世界理解としての世界鑑賞について。 作品鑑賞体験2:インスタレーション |
事前:ミューゼオロジー的展示論について調べておく。 事後:「世界理解の不可能性」の観点から講義メモを整理し、疑問点をまとめる。 |
7 | 美術鑑賞旅行Ⅰの事前準備 (青葉城址、西公園、定禅寺通り、仙台駅前) | 事前:当該地区の立体作品について情報を調査 事後:旅行計画の作成 |
8 | 美術鑑賞旅行Ⅰの実施 青葉城址、西公園、定禅寺通り、仙台駅前 (予定) |
事前:旅行計画書の確認とすり合わせ 事後:メモを整理し、旅行Ⅰ報告レポート作成。 |
9 | 美術鑑賞旅行Ⅰの報告 レポート発表 |
事前:報告レポートの提出 事後:旅行Ⅰ報告レポートの修正 |
10 | 美術鑑賞旅行Ⅱの事前準備 多賀城、塩釜、松島地区の文化遺産について |
事前:多賀城、塩釜、松島地区の文化遺産について調査 事後:メモを整理し、計画書案の作成 |
11 | 美術鑑賞旅行Ⅱの実施 多賀城国府跡、塩釜神社等、瑞巌寺、雄島、西行戻松 |
事前:旅行計画書の確認とすり合わせ 事後:旅行Ⅱ報告レポート作成 |
12 | 美術鑑賞旅行Ⅱの事後報告 レポートに基づいた検討 |
事前:報告レポートの提出 事後:メモを整理し、旅行Ⅱレポートの修正 |
13 | 美術鑑賞旅行Ⅲの事前準備 (平泉) 藤原氏と平泉、中尊寺、仏教美術について |
事前:当該旅行地の情報調べ 事後:計画書案の作成 |
14 | 美術鑑賞旅行Ⅲの事前準備 (平泉) 毛越寺、日本庭園について |
事前:当該地域の文化遺産について調査 事後:計画書のすり合わせ |
15 | 美術鑑賞旅行Ⅲの実施 平泉地域 |
事前:計画書の確認 事後:メモを整理し、旅行Ⅲ報告レポートの作成 |
16 | 美術鑑賞旅行Ⅲの事後報告 レポートに基づいた検討 |
事前:報告レポートの提出 事後:メモを整理し、旅行Ⅲレポートの修正 |
17 | 美術鑑賞旅行Ⅳの事前準備 (茨城県五浦) 岡倉天心、明治の日本画の流れ、日本美術院 |
事前:当該地域の文化遺産について調査 事後:メモを整理し、計画書案の作成 |
18 | 美術鑑賞旅行Ⅳの事前準備 (茨城県五浦) 五浦海岸、茨城県天心記念五浦美術館 |
事前:当該地域の文化遺産について調査 事後:メモを整理し、計画書案の作成 |
19 | 美術鑑賞旅行Ⅳの実施 茨城県五浦地域(予定) |
事前:旅行計画書の確認とすり合わせ 事後:旅行Ⅳ報告レポート作成 |
20 | 美術鑑賞旅行Ⅳの事後報告 1. 報告レポートの発表 |
事前:旅行Ⅳ報告レポートの提出 事後:旅行報告レポートの修正 |
21 | 美術鑑賞旅行Ⅳの事後報告 2. 旅程イメージマップ制作:コラージュ型絵地図からイメージマップへ |
事前:イメージマップ素材収集 事後:「絵地図」とは違った「イメージ表現」について、メモを整理する。 |
22 | イメージマップの展開 直喩的表現/隠喩的表現 と その読み取り(鑑賞) 直喩、換喩と提喩的表現/それ以外での全体性へ 美術鑑賞Ⅳのまとめ |
事前:「喩」「抽象と捨象」などのキーワードを調べる。 事後:「世界の認識不可能性」の観点から感想文を書く。 |
履修上の注意 |
毎回、可能な限り次回講義の資料プリントやレジュメを渡す。 日帰りによる美術鑑賞旅行を4回実施の予定。4回の旅行への参加、調査・研修に基づく報告レポートの提出を単位取得の必須条件とする。 旅行代金は4回で50,000円程度になる予定。(交通費、観覧料、食費、その他。基本的には直接支払うこと) なお、30回分中、美術鑑賞旅行Ⅰは2回分、美術鑑賞旅行ⅡとⅢは各々3回分、美術鑑賞旅行Ⅳは4回分をあてるものとする。 実施日程については、当年度の予定、担当専任教員の予定、受講者要望などによって、開講後決定する。 その他、必要事項があれば、初回講義時に説明する。 |
成績評価方法・基準 |
報告レポート4回で80パーセント、プレゼンテーション20% それぞれの採点基準については、初回講義時に説明の予定 |
教科書 |
使用しない。 講義時にはレジュメおよび資料プリントを配布する。 |
参考書 |
講談社選書メチエ666「なぜ世界は存在しないか」 マルクス・ガブリエル著 講談社 1850円 「センスの哲学」 千葉雅也著 文藝春秋 1760円 「増補新装カラー版東洋美術史」 監修:前田耕作 執筆:山岸公基 他 美術出版社 2500円 「日本美術の歴史」 辻 惟雄著 東京大学出版会 2800円 |
備 考 |
参考すべきものは、参考書としてあげたものだけではなく多くの大事な書物や画集、展覧会カタログなどがある。講義中で紹介するものや、展覧会を含め、できるだけ広く実際に手に取ったり見たりすることが望ましい。 質問や疑問点は、講義中など時間をとるが、詳しくは、初回講義時に説明する。 諸事情により、シラバスに記載されている講義日程が前後したり内容の変更がある場合がある。 日帰り美術鑑賞旅行の実施で、引率は授業担当教員と美術学部専任教員1名が行う。専任教員は授業内で伝えるが、変更する可能性がある。 |
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