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シラバス(公開版)

2024年度 

 
  食品学実験Ⅰ
[ A-3-d-03-2-1 ]
 

 単位(総授業時間数+自習時間):1(45 + 30)
 対象学科:食専1年
 授業形態:実験 学期:前期 必・選:必修/栄(必)
 食物栄養学専攻科目
 永 沼 孝 子

授業概要
私たちの体は私たちが食べたものから成り立っている。その観点から、様々な食品に含まれる栄養成分の構成を知ることは非常に重要である。本授業では、食品に含まれる栄養素、特に三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質について「定性実験」を行い、その特性を解説する。終盤では滴定実験を通して物質の定量の概念についても解説する。これらを通して化学実験全般における基本手技、器具の扱い方、測定機器の使用方法、データのまとめ方、レポートの書き方を指導し、今後の実験に関する学習の基礎構築を目指す。

授業の到達目標
 
学位授与の方針との関連
 
・化学実験の基礎的理論と基礎技術を習得する。
0.5 0.3 0.2
 
・実験を通して食物の構造や化学的特性について理解する。
 
・「食品」を分子レベルで把握する思考力、食品および食生活に関して科学的視点から思考する力を身につける。
 

授業計画
 
内容 自習(事前・事後学習の内容)
 
1 実験の基礎ガイダンス(講義 )(実験の心得、安全対策、実験ノートのとり方、数値の扱い方) 授業後に教科書第1章およびテキスト3頁から6頁を読む。実験に臨む準備を整える。
 
2 実験器具の扱い方・pHメーターの使い方(演習)、濃度計算問題
事前に教科書第2章とテキスト6頁から11頁を読む。事後に復習およびノート整理。
 
3 天秤の使い方(演習)、ジャガイモからデンプンの抽出 事前に教科書第4章の3-6)とテキストI-1を読む。事後に実験結果のまとめとノート整理。
 
4 ジャガイモから抽出したデンプンのヨウ素反応、その他の各食品のデンプンの検出 
レポート(1)出題
事前に教科書第4章の3-5)とテキストI-3を読みか返す。事後に実験結果のまとめとノート整理。
レポート(1)作成。
 
5 糖の定性反応(呈色反応、還元反応)
レポート(2)出題
レポート(1)提出。
事前に教科書第4章の3-5)とテキストIIを読み返す。事後に実験結果のまとめとノート整理。
レポート(2)作成。
 
6 レポート(1)の返却と解説
タンパク質の定性反応 I (ビウレット反応、ニンヒドリン反応、アダムキーウィッツ反応、坂口反応)
レポート(2)提出。
事前に教科書第4章の1-1),2)とテキストIII-1,2を読む。事後に実験結果のまとめとノート整理。
 
7 レポート(2)の返却と解説
タンパク質の定性反応 II (薄層クロマトグラフィーによるアミノ酸の同定)、ノートチェック 
事前に教科書第4章の1-4)とテキストIVを読む。事後に実験結果のまとめとノート整理。
 
8 タンパク質の定性反応 III(薄層クロマトグラフィー発色と同定)
脂質の定性反応(エステルの検出、不飽和脂肪酸の検出、鮮度判定)
レポート(3)出題

事前に教科書第4章の2-4)とテキストVを読む。事後に実験結果のまとめとノート整理。
レポート(3)作成
 
9 油脂の物理的変化(乳化反応、相転移)
レポート(4)出題
レポート(3)提出。
事前に教科書第4章の2-5)とテキストVIを読む。事後に実験結果のまとめとノート整理。
レポート(4)作成。
 
10 レポート(3)の返却と解説
食品の色に関する実験 I (酵素的褐変、ポリフェノール類の色の変化)
レポート(4)提出。
事前に教科書第9章の1-1),2)とテキストVIIを読む。事後に実験結果のまとめとノート整理。
 
11 レポート(4)の返却と解説
食品の色に関する実験 II (非酵素的褐変)
レポート(5)出題
事前に教科書第9章の1-3)とテキストVIIを読む。事後に実験結果のまとめとノート整理。
レポート(5)作成。
 
12 容量分析 I 中和滴定 (1) 中和滴定の原理解説、ビュレットの使い方実習。 ノートチェック レポート(5)提出。
事前に教科書第3章の1,2-1)とテキスト VIII-1を読む。事後に実験結果のまとめとノート整理。
 
13 レポート(5)の返却と解説
容量分析 II 中和滴定 (2) 食酢中の酢酸の定量(実験講義、標準溶液の作製と評定)
事前に教科書第3章の2-1)とテキスト VIII-2を読む。事後に実験結果のまとめとノート整理。
 
14 容量分析III 中和滴定 (3) 食酢中の酢酸の定量(試料の滴定と濃度計算)レポート(6)出題 事前に教科書第3章の2-1)とテキスト VIII-2を読み返す。事後に実験結果のまとめとノート整理。
レポート(6)作成。
 
15 これまでの実験のまとめと濃度計算の演習
レポート(6)提出。
実験の総括と演習問題の復習。
ノート整理。
 
16 レポート(6)の返却と解説
期末試験
計測機器の使い方実技試験。
筆記試験。
 

履修上の注意
・正当な理由のない遅刻・欠席は厳禁。白衣を着用し、器具、試薬の取り扱いには細心の注意を払う。
・常時保護メガネを携帯する。不要なものは実験室に持ち込まない。
・実験では危険を伴うことがあるので、事故のないように事前にテキストを読んで予習しておく。
・実験中の反応についての観察や、生じた疑問はノートに詳細に記録し、文献を調べる。
・実験は3人から4人を1班とするグループワークとなるので、全員が実験操作にかかわるように計画を立て、実験結果については毎回グループ内でディスカッションを行い、考察する。

成績評価方法・基準
・平常点(授業に臨む姿勢、実験に対する自主性・積極性)30%、レポート・ノートの内容の成績60%,実技、筆記試験の成績10%の割合で評価する。評価の詳細については、初回の授業に配布するルーブリックに記載。
・未提出のレポートがある場合は、評価の対象外とする。
・レポートは提出の度に採点し、原則として提出翌週の授業で返却・解説を行う。
・期末試験(筆記試験)については、試験後に模範解答と解説を配布する。

教科書
・[新版 食品学実験 -実験で学ぶ食品学-][江角彰彦著][同文書院][2,500円+税]
・授業内容に即した独自作成テキスト(冊子体)

参考書
必要に応じて資料を配布する。(実験時配布)

備 考
・都合により授業計画の順番を変更することがある。
・質問については、実験中随時、またはオフィスアワー(曜日時間は掲示で確認)に受け付ける。
・なお、「授業計画の内容」中、自習の項目における「教科書」は上記の出版物、「テキスト」は独自作成テキストを示す。

 
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