食物栄養学専攻2年生前期の授業「栄養指導論実習」では、ひとり一人で、約8~15分の栄養教育・食育の指導案・教材を作り、発表します。
対象者は、栄養士校外実習先(小学校、保育所、自衛隊、高齢者施設)の人たちを想定します。授業内では、同級生たちが対象者役を演じます。
小学生、保育園児対象のチームです。テーマは食べ物と栄養の働き、3つの食品群、食べ物や料理のクイズなどで、学生たちはわかりやすく説明するようがんばっていました。
割りばしを使って裏と表の絵をくるっと素早く見せたり、紙をめくると答えが出てきたりします。幼児のレベルに合わせた内容と方法を考えました。
自衛隊員を対象とした教材は、水分のとり方や、料理に含まれる食物繊維やたんぱく質の量、肥満を予防しながらバランスよく料理を選ぶことなどがテーマです。
栄養教育の内容に、興味をもってもらい行動変容につなげることはなかなか容易ではありません。
そこで、対象者が大人の場合でも、遊びやゲームの方法を取り入れて、かるた、クイズ、体験などを交えながら、大切なことを伝えていきます。
高齢者向けのチームも工夫を重ねました。テーマは、郷土料理、年中行事で食べる料理、食文化などです。すごろく、カード、ピンポン玉をはずませてコップに入れるなど、レクリエーション的な進め方をします。
グループで取り組む時には、控えめで大人しい学生も、ソロ活動のこの授業では、100%自分の考えで企画・準備をして、堂々と発表しています。
実際に校外実習に行く時には、このまま教材を使える場合もありますが、多くの場合は新たに課題が出されるため、実習前に改めて指導案と教材を作成します。大変なように思いますが、2回目のチャレンジだと意外と余裕があり、同級生たちの発表方法、教材の工夫を参考にさせてもらって、よりよいものを作って臨みます。