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シラバス(公開版)
単位(総授業時間数+自習時間):2(30 + 60) |
対象学科:子専1年 |
授業形態:講義 学期:後期 必・選:必修/幼免(必) |
生活文化学科共通教養科目 |
横 田 尚 昌 |
授業概要 |
憲法は、国家の根本的な組織と作用のあり方を定めた法であり、国民ではなく、国家権力を拘束するルールである。それは、他の一切の国内法に優位する最高の効力を有する法であり、日本国憲法とは我が国における統治の基本ルールと基本的人権を定めたものである。この講義では、その日本国憲法が規定している統治機構の個々の機関の権限や運営方法について説明したうえで、この憲法に規定されている国民の権利及び義務(基本的人権)について判例の事案と裁判所の判断をみながら解説していきたい。 |
授業の到達目標 |
学位授与の方針との関連 | ||||||||||
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日本国憲法の基礎的な知識を修得し、その全体像を説明することができる。 |
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憲法上の権利の各分野において、いかなる問題があるかを知り、それに対する判決や学説の考え方が理解できる。 |
憲法に関する報道に接したとき、その問題のかなめとなる憲法上の論点が解説されるのを理解できる。 |
授業計画 |
回 | 内容 | 自習(事前・事後学習の内容) |
1 | 概説(立憲主義、実質的意味の憲法、形式的意味の憲法、近代的意味の憲法、憲法の法源および権力分立について解説する。) | 近代立憲主義の基本原理が日本国憲法のなかにどのように生きているのかを確認する。 |
2 | 天皇制と平和主義(国民主権、象徴天皇制、皇室典範、国事行為、公的行為、平和的生存権および戦争放棄について解説する。) | 日本国憲法における天皇制の内容と平和主義の意義について確認する。(歴史的観点からの天皇の権限、国際的観点からの平和的生存権、戦争放棄などについて把握しておく。) |
3 | 選挙制度(多数代表制、少数代表制、比例代表制、並立制、政党国家および党籍変更議員の失職制度について解説する。) | 選挙制度や政党制度は、国民・市民と国の政治をつなぐ重要な制度であるが、それには様々な種類があることを認識しておく。そして、現行の選挙制度の問題点や政党の在り方について把握しておく。 |
4 | 国会(国会中心立法の原則、国会単独立法の原則、立法過程、会期不継続の原則、二院制およびねじれ国会について解説する。) | 国家とは、「国権の最高機関」であると同時に「唯一の立法機関」でもあることについて認識するとともに、その憲法上の地位・組織および権限ならびに議員の地位や立法過程について把握する。 |
5 | 内閣(議院内閣制、均衡本質説、責任本質説、国民内閣制、内閣総理大臣および衆議院の解散について解説する。) | 政府の形態のいくつかの類型があること、日本国憲法は議院内閣制を採用していることを認識し、内閣の組織・権能、内閣総理大臣の地位などについて把握しておく。 |
6 | 裁判所(警察予備隊違憲訴訟、司法権、法律上の争訟、最高裁判所、下級裁判所および裁判員裁判について解説する。) | 裁判所の組織と権限、裁判員制度などを把握し、人権保障のあり方と密接に関わっている違憲審査制の理論と実際について理解する。 |
7 | 地方自治(地方自治の本旨、地方分権、制度的保障論、地方公共団体、道州制、上乗せ条例および住民投票条例について解説する。) | 地方自治の本旨の意味をしっかりと理解する。地方自治体の組織と権限、国と自治体の関係、法律と条例の関係などについて把握する。 |
8 | 人権とは(1789年人権宣言、ワイマール憲法、第三世代の人権、人権の享有主体、法人の人権、外国人の人権および未成年者の人権について解説する。) | そもそも「人権」とはいかなる概念なのかについて確認したうえで、日本国憲法における人権保障のありようを理解する。 |
9 | 人権の適用範囲(私人間効力、社会的権力、特別の法律関係、公務員の政治的活動および人権の分類について解説する。) | 憲法で保障されている人権は、どのような場合にどのような制限を受けるのか、またその根拠は何かを把握する。 |
10 | 幸福追求権と法の下の平等(幸福追求権、人格的利益説、一般的自由説、プライバシーの権利、自己決定権および合理的区別の概念について解説する。) | 幸福追求権と平等権にかかわる裁判事例の概要を把握することを通じて、その保障の実態について把握する。 |
11 | 内心の自由(思想・良心の自由、信教の自由、政教分離原則、目的効果基準、学問の自由および大学の自治について解説する。) | 思想・良心の自由、信教の自由、学問の自由などの精神的自由権の内容について把握する。 |
12 | 表現の自由(集会の自由、結社の自由、表現の自由、知る権利、検閲の禁止および名誉毀損〔きそん〕について解説する。) | 表現の自由、集会・結社の自由などの精神的自由権の内容について把握する。 |
13 | 経済的自由権(職業選択の自由、許可制、適正配置規制、規制目的二分論、財産権の保障および国家からの正当な補償の在り方について解説する。) | 職業選択の自由と財産権の保障のありようをみることを通して日本国憲法の下での経済的自由権の保障とその制約について把握する。 |
14 | 生存権(生存権、プログラム規定説、併給禁止規定、堀木訴訟、教育権の所在、旭川学力テスト事件および環境権について解説する。) | 福祉国家理念を採用する日本国憲法の下で、社会権(生存権および教育権)がいかように保障されているのか、またその限界について把握する。 |
15 | 参政権、国務請求権(選挙権、被選挙権、在宅投票制度、議員定数不均衡、事情判決の法理および国務請求権について解説する。) | 参政権とは何か、国務請求権とは何か(選挙権・被選挙権、請願権、裁判を受ける権利の内容)について把握する。 |
16 | 期末試験(レポートによる) |
履修上の注意 |
身近なところで、憲法にかかわる問題が日々生じていることを念頭に授業を進めますので、みなさんもニュースを継続的に見るように心がけてください。 |
成績評価方法・基準 |
平常点40%(平常点は、授業時間中にふさわしくない態度をとっていないか、また、必ず予告して行う小テストの結果等で総合的に判断する。)、レポート60%(レポートのテーマと提出方法は学期の終わり頃の授業中に指示する。)。なお、小テストについては随時、レポートについては最終回の授業においてフィードバックをする。 |
教科書 |
特になし(毎回の授業前にプリントを配布し、それに沿って講義する。) |
参考書 |
授業中に指示する。 |
備 考 |
オフィスアワーは、非常勤講師室において毎週金曜日の14:00過ぎから4校時開始時刻前までの間とする。 |
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