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シラバス(公開版)

2024年度 

 
  漆芸Ⅰ
[ D-3-c-05-2-2 ]
 

 単位(総授業時間数+自習時間):2(60 + 30)
 対象学科:美表2年
 授業形態:実技 学期:前期 必・選:選択
 美術表現学科専攻科目
 長谷部 嘉 勝

授業概要
漆芸職人としての経験を活かし、漆塗りの主な技法として仙台木地呂塗りを中心に塗りの技法を指導します。
木目を生かした木地呂塗り・色漆(木地呂漆+顔料で作る)による不透塗りを精製漆を用い刷毛塗り、研ぎ、磨きの技法ができ、 多彩な色漆による変り塗りと研ぎの技法を用い、下層の色漆と上層の色漆が断層となって紋様となる意匠塗り、仕掛塗りが理解できるように指導します。
①木地呂塗り、②朱塗り、③黒呂色塗り、④変り塗り㋑意匠塗り(例えば根来塗り)㋺仕掛塗り(例えば津軽塗り)

授業の到達目標
 
学位授与の方針との関連
 
・素地の調整と固めの仕組みを理解でき、下地工程ができる。
0.4 0.3 0.3
 
・漆の粘度の調整ができ、漆を塗ることができる。
 
・研ぎ磨きの工程が理解でき仕上げることができる。
 

授業計画
 
内容 自習(事前・事後学習の内容)
 
1 授業の説明 漆塗りの道具について
木地呂塗り 不透明塗り
プリント配布
 
2 素材の違いによる木地調整と木地固め 漆塗りの工程を復習しておく。
 
3 ・木地呂塗:砥の粉錆付け 表面
・不透明塗り:寒冷紗張り 表面
錆漆、糊漆について理解しておく。
 
4 ・木地呂塗:砥の粉錆付け 裏面
・不透明塗り:寒冷紗張り 裏面
漆が乾燥しているか確認しておく。
 
5 ・木地呂塗:水研ぎ ⇒ 呂瀬漆(生漆+木地呂漆)ヘラしごき①
・不透明塗り:空研ぎ 地の粉錆付け①表面
呂瀬漆(ロゼウルシ)、地の粉錆について理解しておく。
 
6 ・木地呂塗:水研ぎ ⇒ 呂瀬漆(生漆+木地呂漆)ヘラしごき②
・不透明塗り:空研ぎ ⇒ 地の粉錆付け①裏面
呂瀬漆、地の粉錆に乾燥しているか確認しておく。
 
7 ・木地呂塗:水研ぎ ⇒ 呂瀬漆(生漆+木地呂漆)ヘラしごき③
・不透明塗り:空研ぎ ⇒ 砥の粉錆付け②表面
砥の粉錆について理解しておく。
 
8 ・木地呂塗:水研ぎ ⇒ 呂瀬漆(生漆+木地呂漆)ヘラしごき④
・不透明塗り:空研ぎ ⇒ 砥の粉錆付け②裏面
錆面が平滑であるか確認しておく。
 
9 ・木地呂塗:水研ぎ ⇒ 呂瀬漆(生漆+木地呂漆)ヘラしごき⑤
・不透明塗り:表裏水研ぎ
木地呂漆、不透漆について理解しておく。
 
10 ・木地呂塗:水研ぎ ⇒ 木地呂漆中塗り 表面
・不透明塗り:水研ぎ ⇒ 黒または朱漆中塗り 表面
ムラなく平滑に塗りができたか確認しておく。
 
11 ・木地呂塗:水研ぎ ⇒ 木地呂漆中塗り 裏面
・不透明塗り:水研ぎ ⇒ 黒または朱漆中塗り 裏面
漆が乾燥し、水研ぎの作業に入れるようにしておく。
 
12 ・木地呂塗:水研ぎ ⇒ 木地呂漆上塗り 表面
・不透明塗り:水研ぎ ⇒ 黒または朱漆上塗り 表面
ムラなく平滑に塗りができたか確認しておく。
 
13 ・木地呂塗:水研ぎ ⇒ 木地呂漆上塗り 裏面
・不透明塗り:水研ぎ ⇒ 黒または朱漆上塗り 裏面
足りない上摺り漆を重ねておく。
 
14 木地呂塗/不透明塗とも上塗り研ぎ ⇒ 胴摺り 研ぎ、胴摺りについて理解しておく。
 
15 仕上 講評会 仕上げ磨きについて理解しておく。
 

履修上の注意
作業着を着用の上、漆かぶれに注意しながら授業に臨む。工芸基礎Ⅰ、Ⅱを履修していること。

成績評価方法・基準
・授業態度(40%):意欲、柔軟性、理解度など
・作品進度(60%):完成度、デザイン、個性の表現(講評会課題提出でフィードバックする)

教科書
授業中に適宜資料を配布する

参考書
〔やさしく身につく漆のはなし2〕〔(一財)日本漆工協会〕〔2,200円(税込)〕
〔漆塗りの技法書〕〔誠文堂新光社〕〔3,080円(税込)〕

備 考
・基本教材費:16,500(税込)〔木製:欅プレート・シナ合板プレート 各1枚、寒冷紗、漆刷毛〕
・漆は各自購入
・質問等は授業終了時オフィスアワーで受け付ける。

 
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