大学シラバスの手引き(PDF) 短大シラバスの手引き(PDF) | シラバス トップページへ 本 学 ホームページへ |
シラバス(公開版)
単位:1 単位 |
対象学科:美表3年 |
学期:通年 |
美術学部 共通教養科目 |
佐 藤 一 郎 |
授業概要 |
「絵画の心得」と題して、謝赫の「論画六法」を取り上げ、「気韻生動、骨法用筆、応物象形、随類賦彩、経営位置、伝模移写」のそれぞれに触れ、アジアとヨーロッパの造形思考の共通性を探る。特に、今回は「随類賦彩」、すなわち「色」を取り上げる。「光とはなにか」「色彩とはなにか」「絵具とはなにか」を、ニュートンの「光学」から解き明かしてみたい。 次に色調を生かした「諧調(グラデーション)」作成の実技実習を行う。古典的な西洋絵画における、絵具の混色の方法、重層構造の構築法を実際に色見本を作成し、体験する。 |
授業の到達目標 |
授業の到達目標 | 学位授与の方針との関連 |
・「論画六法」を通して、「絵画とはなにか」の基礎知識を学習する。 | 1,2,3,8,9 |
・「光とはなにか」「色とはなにか」の基礎知識を学習する。 | 1,2,3,8,9 |
・さまざまな絵具の塗り方を学習し、デザイン、工芸、漫画、イラスト、アニメ、ゲームに応用できるスキルを学ぶ。 | 1,2,3,4,8,9 |
・自分の作り出したものの意味内容を、第三者に的確に伝えるスキルを学ぶ。 | 1,2,3,5,8,9 |
授業計画の内容 |
回 | 授業計画の内容 | 自修(事前・事後学修の内容) |
1 | ①「絵画とはなにか」の基礎知識を学習する。「論画六法」を通して、特に「気韻生動」と「骨法用筆」との対句を考える。 | あらかじめ、「気韻生動」と「骨法用筆」 の内容を自分で事前学習する。 |
2 | ①「絵画とはなにか」の基礎知識を学習する。「論画六法」を通して、特に「応物象形」と「随類賦彩」との対句を考える。 | あらかじめ、「応物象形」と「随類賦彩」の 内容を自分で事前学習する。 |
3 | ①「絵画とはなにか」の基礎知識を学習する。「論画六法」を通して、特に、「経営位置」と「伝模移写」との対句を考える。 | あらかじめ、「経営位置」と「伝模移写」の 内容を自分で事前学習する。 |
4 | ①「絵画とはなにか」の基礎知識を学習する。「論画六法」のそれぞれを、ヨーロッパではどのような言葉を当てはめているのか。 | あらかじめ、「論画六法」のそれぞれを英語 でなっていったら良いのか、自分で事前学習 する。 |
5 | ②「光とはなにか」の基礎知識を学習する。「白色光線、スペクトル、黄色光+青色光」を、実地に実験をしながら、推測してみる。 | RGB表色系について、自分で事前学習する。 |
6 | ②「光とはなにか」「色彩とはなにか」の基礎知識を学習する。不透明な黄色絵具に透明な青色絵具を重ねる実習を行う。 | CMYK表色系について、自分で事前学習する。 |
7 | ③「絵具=顔料+媒剤」「顔料とはなにか」の基礎知識を学習する。「顔料、染料の粒径と光(波長)の長さ」「顔料と媒剤の屈折率」「被覆力と透層力」 | 油画に使用される媒剤(メディウム)にどの ようなものがあるか、自分で事前学習する。 |
8 | ③「絵具=顔料+媒剤」チューブ油絵具に記載されている文字、記号、絵表記がどのような意味を持っているのか、その基礎知識を学習する。 | チューブ油絵具に記載されている文字、記 号、絵表記をノートに最大漏らさず記入する 事前学習をする。 |
9 | ④墨汁を用い、線影的筆致(ハッチング)と、水を加え濃淡を調節して、「諧調(グラデーション)」をつくりだす。 | できあがった「諧調(グラデーション)」は 自分としてはどうだったのかを記録する。 |
10 | ④「諧調(グラデーション)」をつくりだすために、たとえば、コバルトブルーとチタニウムホワイトを混色し、三種類の色調をつくりだす。純色の白色と青色を加えれば、計6種類が色調を揃う。 | ノートに三種類の色調をつくる手順をわかり やすく図示してみる。 |
11 | ④墨汁による下素描としての「諧調(グラデーション)」上に、前回の三種類の色調を線影的筆致(ハッチング)で塗りか重ねて、青空のような「諧調(グラデーション)」をつくりだす。 | 三種類の色調のそれぞれの境目をどのように 処理したらうまくいくのか、事前学習をす る。 |
12 | ④青空のような「諧調(グラデーション)」に、純色の白色を掠色(スフマート)と純色の透色(グレーズ)に青色を重ね、より精緻な「諧調(グラデーション)」をつくりだす。 | 掠色(スフマート)と透色(グレーズ)の概 念を確認し、図示し、事前学習をする。 |
13 | ⑤叩き筆を使って、二種類の油絵具を混色しながら、「諧調(グラデーション)」をつくりだす。 | 単色の、あるいは二色の「諧調(グラデー ション)」にするのか、事前に決めておくと よい。 |
14 | ⑤さらに、叩き筆を使って、透明な油絵具を透層してみて、さらに精緻な「諧調(グラデーション)」をつくりだす。 | 二種類の絵具の境目が見えないようにする ために、どのような工夫をしたのか、事後報 告する。 |
15 | 批評会:受講者が作成した二種類の「諧調(グラデーション)」による色見本を展示し、それを対象にして、講評を行う。 | 自分が作成した色見本に近づき、どのよう な結果になったか、自らの言葉で皆さんに語 りかける。 |
履修上の注意 |
事前に、掲示板で日程と準備物を掲示するので、確認して準備するようにしてください。 学生が揃える準備物:筆記用具(鉛筆、ボールペン、消具)、帳面(ノート)水彩道具一式(水彩絵具、面相筆、溶き皿など)、 油画道具一式(油絵具、豚毛筆、調色版(パレット)、溶き油(亜麻仁油、揮発性油)、溶き皿など)、剃刀(カッター)、定規(30cm前後) 大学が揃える準備物:アルシュARCHES水彩紙(300g 18×26cm)、墨汁、叩き筆 |
成績評価方法・基準 |
出席を含む平常点50%、色見本の提出物50%で評価する。 |
教科書 |
適宜、教科書に代わるプリント(+参考資料)を配布する。 |
参考書 |
佐藤一郎+東京藝術大学油画技法材料研究室『絵画制作入門』東京藝術大学出版会 佐藤一郎『マックス・デルナー:絵画技術体系』美術出版社 佐藤一郎、他」『クルト・ヴェールテ:絵画技術全書』美術出版社 |
備 考 |
今年度の場合「キャリア開発IV」は、集中講義(8月10日(火)・11日(水))形式で行う。「絵画の心得」と題して、佐藤一郎学長が行い、デザイン室ABを使用する。担当教員は、北折整、鈴木専。授業計画数は15回に設定してあるが、8月10日(火)午前は、1、2、3、4 をまとめて行い、8月10日(火)午後は、5、6、7、8 をまとめて行い、11日(水)午前は、9、10、11、12 をまとめて行い、11日(水)午後は、13、14、15 をまとめて行う。多少順番が前後することがある。 わからないところは、質問は授業中でも、授業終了時でも、適宜受け付けます。 |
Copyright © Mishima Gakuen All Rights Reserved. |