東北生活文化大学短期大学部では、保育者と栄養士が連携して取り組む食育の実践教育を行っています。子ども生活専攻と食物栄養学専攻合同授業では「模擬給食会議(事例検討)」を通して学生のうちから他職種連携を体験します。また、2名の教員が専攻の壁を超えてゲストスピーカーとして授業に参画し、子どもの発達を理解し、気持ちに寄り添った食育について学生と考えます。
2023年3月8日には「模擬こどもまつり」を開催しました。コロナ禍のため学内関係者限定で行いました。イベントの企画・運営をしたのは両専攻の1年生有志25名です。
学長の佐藤一郎先生をはじめ、教職員25名には、お客さんとして参加してもらいました。学生の妹さんが、唯一のリアル子どもとして参加してくれました。参加者は、スタンプカードを持ってお店をまわり、子どもサイズの食べ物や遊びを無料で10個体験しました。
保育園・幼稚園で、子どもたちは夏祭りやお店屋さんの遊びが大好きです。しかし食物アレルギーのある子どもたちは、イベント食や外食時に、困ったり不安を感じるケースがあります。そこで、原材料をわかりやすく表示(保護者向け)し、みんなと同じものを食べられるようなメニューを考案しました。
今回は、乳・卵・小麦を使用しない除去食・代替食です。出店の内容は、以下の通りです。
①たこ焼き(米粉・でんぷん使用)
②焼きそば(米粉麺使用)
③肉巻きおにぎり
④シャカシャカポテト
⑤ベビーカステラ(米粉・豆乳使用)
⑥ケーキ(米粉・豆乳・豆乳ホイップ・サラダ油使用)
⑦わたあめ
⑧チョコバナナ&いちご(ミルク不使用のチョコ・トッピングシュガー使用)
⑨フルーツあめ
⑩まとあてゲーム・あそび
イベント準備期間は、約1ヶ月半。後期試験前に希望者で「模擬こどもまつり実行委員会」を立ち上げ、春休み期間中に、料理の試作、ゲーム準備、お店の飾りつけ、アレルギー表示に取り組みました。
お客さんたちは、雰囲気を楽しんだり、的あてゲームに夢中になっていました。料理も美味しいと、高評価でした。
佐藤学長は全ての出し物に感想を書いてくださいました。印象に残ったのは「わたあめ 甘い 70年ぶり」。大人に続き、学生たちも、子どもになりきり、思う存分楽しみました。
最後は、学生たちと担当教員たちで、振り返りをしました。今回、栄養と保育の学生・教員が一緒に活動したことにより、子どもたちが喜ぶ飾りつけで行事を盛り上げたり、安全で美味しい料理をたくさん提供することができました。お互いの専門性についての理解を、さらに深める機会になりました。
準備は大変でしたが、これまでの学びの集大成である「模擬こどもまつり」は、ひとまず盛況にて終えることができました。
「保育・食育実践プログラム」担当教員:高橋恵美(子ども生活専攻)&木下ゆり(食物栄養学専攻)
文責:木下