服飾文化専攻では、今年度第2弾の服飾講座(全5回)を配信します。
服飾講座では、専攻での教育や研究内容に関連する生活文化や服飾文化、教育分野等の様々な知識をお伝えしています。
「ファッションなのになぜ実験?」今回の講座では、被服の実験に使用する機器を紹介しながら解説します。(毎週火曜配信)
服飾講座①「Terg-O-Tometer」
第1回目はTerg-O-Tometer(ターゴトメーター)を紹介します。
ターゴトメーターは小型の洗浄試験機(撹拌式)のことで洗浄実験を行う機器です。
ファッションに洗濯は欠かせません。着用した後の洗濯の際、皆さんは洗濯用洗剤を使用していますよね。
「ファッションなのになぜ実験?」、これは、ファッションアイテムを洗うための洗剤が洗浄力をどの程度有するか、一定レベルの洗浄力を有するか等を調べるために実験を行う必要があるのです。
洗浄実験には被洗物(洗濯する対象の被服)として人工汚染布を用います。人工汚染布は様々な種類の汚れを付着させた布の事です。洗浄力の評価は、洗剤で人工汚染布を洗浄した後、洗浄後の汚れの落ち具合から比較しますが、視覚判定ではなく、一般的には表面反射率を測定し、その数値から洗浄力を求めます。
洗浄力は高いほど優れた洗剤?、汚れが良く落ちる事は重要ですが、その分被洗物へのダメージも大きくなります。皆さんは、品質表示を確認して服の素材にあった適切な洗剤を選びましょう。
今後、優れた洗剤を開発するには、汚れをよく落とし、被洗物を傷めにくく、環境対応型で、使いやすく安全である等、幅広い観点から検討する必要がありますね。