今回は、食物栄養学専攻2年の授業(臨床栄養学実習)をご紹介いたします。この授業のテーマは病態に向けた治療食の献立作成とその調理です。授業の時期は2年生の後期に設定しています。これは、短大の2年間で学んできた知識と技術が特に求められる授業、いわゆる応用力が必要な実習であるためです。授業では病態ごとの治療食献立を作成するために必要なポイントについての講義および献立作成と調理実習を交互に行なっています。
1.治療食の目的と献立作成のポイントについての講義
治療食の献立を作るには、その病態における治療食の目的を理解することが大切です。講義では必要栄養量だけでなく、献立作成に必要な着眼点や食材の選択についても説明を行います。
2.治療食の献立作成
講義で学んだ治療食に必要なポイントを取り入れて、それぞれ献立を作成します。治療に必要な栄養量を充足させることはもちろんですが、食事形態や見た目、味付けなど配慮すべきことはたくさんあります。しっかり献立計画を立てることが治療食の作成には必要です。
3.治療食の調理
調理実習では当番になった学生の献立を使用して治療食の調理を行います。献立通りの調理を行わなければならないので、食材や調味料の計量は特に正確に行います。献立の作成時にイメージしていた料理にどれだけ近づけるかもポイントです。
4.調理完成
治療食の目的は、食事から必要な栄養を摂取する食事療法です。患者さんにしっかり食事を摂ってもらえるようにするためには様々な工夫があります。毎回喫食時に、反省点、改善点を挙げて次回以降の実習に役立てるよう取り組んでいます。繰り返し実習を重ねることで少しずつ実践力を積み重ねていくことができます。