~正しい手洗いの理解&環境微生物の観察~
食品を扱う環境・ヒトには多種多様な微生物が分布・生息しています。とくに、ヒトの咽頭・口腔・手指には様々な微生物が生息しているため、食品を取り扱う場合、微生物が食品に混入する危険性があります。
今回の実験では、自分たちの手や自宅のキッチンにはどのくらい細菌が存在しているのか、自分たちが普段行っている手洗いの方法で汚れがきちんと落ちているのかなどいくつかの項目について調べました。
【手洗いチェッカーセットによる判定】
以下の3通りの方法で手を洗い、手洗いの方法によって汚れの落ち具合がどのように異なるかを実際に自分たちの目で見て確認しました。
①水洗い
②ハンドソープでの通常の手洗い
③ハンドソープでの丁寧な手洗い
具体的な方法としては、まず汚れの代わりに“蛍光物質のローション”を両手全面につけた後、手洗いを行います。その後、“手洗いチェッカー”にかざして、青白く光る箇所(洗い残し)があるかどうかチェックし、①~③について手洗いの効果を比較します。
きちんと洗えてるかな?
【手のひらの細菌叢数の変化による判定】
手洗い前と手洗い後の手のひらを、それぞれ“手型培地(ハンドペタンチェック)”に押しつけた後、孵卵器で培養(37℃、24~48時間)し、細菌の生育状況(数、色、形、大きさ etc.)について観察しました。
【環境微生物の観察】
自宅のキッチンにある“まな板、包丁、冷蔵庫 etc.”から細菌を採取し、孵卵器で培養(37℃、24~48時間)した後、その性状について調べました。
通常、肉眼ではあまり目にすることがない細菌ですが、自分たちで実際に細菌を培養・観察することによって、手やキッチンなど私たちの身の回りにはいろいろな細菌が存在していることを実感しました。食の安心・安全を守る栄養士をめざすものとして、食中毒を起こさないように、今まで以上に手洗い、調理器具の洗浄、調理する場所の清掃に気を配らなければならないと思いました。