服飾文化専攻では、5月末~服飾講座(全8回)を配信します。
専攻での教育や研究内容に関連する生活文化や服飾文化、教育分野等の様々な知識をお伝えしていきます。(毎週月曜配信)

服飾講座⑧「仲良くなりたい!なかなか慣れない(*´-`)裁縫道具」

服飾講座第8回目は、本学服飾文化専攻の多くの学生が仲良くなりたい…だけど慣れるのが大変!な裁縫道具を紹介します。

それは、これです。

そう、指ぬきです。運針(うんしん・並縫いともいいます)や、まつり縫いなどの手縫いをするときに便利な道具です。

この指ぬき、小学5年生の時に購入する裁縫セットの中に入っていたのではないでしょうか?しかし、家庭科の授業で使うことはほぼなかったはずです。服飾文化専攻の学生の中にも、一度も使ったことがないまま大学での被服実習に臨むために、悪戦苦闘する学生が毎年見られます。

 

こんな感じで使います。

慣れるまでに時間がかかる人もいますが、あきらめずに練習することで、上手に使えるようになります。服飾文化専攻生の多くも最初は苦労しますが、のちのち「これがないと縫えない!!」と服作りには欠かせない大切な道具・まさに親友と言っても過言ではないほどの道具へと変わるのです。

 

 

上手く使うコツ(の一部)を紹介しましょう。

① 親指と人差し指で「〇」を作るようにして針先をつまみます。針先から3~4㎜のところをつまむように持ちましょう。くれぐれも指先をキューっとがらせないように…「〇」型を意識してください。

② 中指・薬指・小指は「グー」をする時のようにしっかりと握ります。そうするとあら不思議!針の頭(糸を通す穴のところ)が指ぬきにピタリとくっつきました!指ぬきから針の頭をぜったいに離さないぞ!!と強く念じてください。

③ 一針~二針ほど布に針先を通してから布を持ちましょう。②の形を維持していますか?この時は左手も大事です。両手で布をピンッと張るように握りましょう。左右の親指同士を向かい合わせて布を持つと曲がりにくいですよ。

④ さあ、縫っていきましょう。右手は小さくチマチマと動かします。左手は、「腕」を上下にグイッグイッと大きく動かしましょう。

実際に縫っている様子

言葉で記すのが難しいコツもあるのですが、まずは、この4つを意識しながらコツコツ続けているうちに、「あら!早く縫えるようになった」「おや!曲がらないで縫えるぞ」というように手縫いの技が上達していきます。嬉しいことですね。

初心者には、革とプラスチックで作られたものが向いていると思います。針が滑りにくい上に、リーズナブルです。わりとすぐに結び糸が切れてしまうという欠点もあります(笑)。切れたらすぐに直しておきましょう。スペアを準備しておくのもおすすめです。

私は金属製の指ぬきを主に使っています(一番最初の画像)。慣れないうちは、針の頭と指ぬきの接触部分とが滑って使いにくいかもしれません。また、真円に近い形で販売されていますが、指の形状に合わせて、ペンチで少しだけつぶすことで、金属が指にあたるストレスを軽減できます。

日本の指ぬきはこのように丸く穴が開いている指ぬきですが、西洋の指ぬきは指先にはめるキャップ型(シンブル)が多いようです。私も持ってはいますが、あまり使っていません( *´艸`)。こんなにカワイイシンブルもあります。

クマさんのシンブル、なかなかいいでしょう?このように素材やデザインに凝ったものも多く、シンブルコレクターもいるそうですよ。日本の美しい指ぬきの代表は「加賀指貫」でしょう。いずれも、用と美を兼ね備えた素敵なアイテムです。

指ぬきに限らず、裁縫道具には、美しく・スタイリッシュで・上手く考えられている道具がたくさんあります。皆さんにも興味を持っていただけたら大変嬉しく思います。

川又勝子

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