本日令和5年3月15日(水)に令和4年度卒業証書・学位授与式を開催しました。
暖かい日差しの中、大学短大合同の対面での卒業式となり、保護者の方々には別室にてライブ配信をご覧いただきました。

卒業する学生たちは友人・教員との別れを惜しみながらも、これからの未来に向かって羽ばたきます。

ご卒業、おめでとうございます!

 

令和4年度 東北生活文化大学・東北生活文化大学短期大学部 卒業証書・学位記授与式

式 辞

 本学、東北生活文化大学、ならびに東北生活文化大学短期大学部を代表いたしまして、卒業生の皆さんに御卒業のお祝いを申し上げますとともに、一日千秋の思いで今日を待ち望んでおられた保護者の方々に対しましても、衷心よりお祝い申し上げます。
 卒業式は、ここ体育館において、昨年と同じように、規模縮小・時間短縮により挙行されることとなり、来賓・保護者・在学生には御遠慮いただく形となりました。しかし、本日このように挙行できますことは、教職員一同にとりましても、大きな喜びでございます。

 栄えある今日を迎えた卒業生は、
 東北生活文化大学 家政学部家政学科服飾文化専攻 7名、同健康栄養学専攻 30名、生活美術学科 1名、そして美術学部美術表現学科33名の計71名、
 東北生活文化大学短期大学部 生活文化学科食物栄養学専攻 30名、同子ども生活専攻 31名、の計61名、大学、短期大学部、 合計 132名であります。 

 三島学園東北生活文化大学、ならびに短期大学部の歴史を紐解きますと、明治33(1900)年、東京で法学を学んだ三島駒治が、「東北法律学校」を設立、続いて三島駒治、よし夫妻によって創設された「東北女子職業学校」にまで遡ります。今年、令和5年10月27日に創立123周年を迎えます。東北の中心地仙台に根付いた、伝統ある教育研究機関としてこれまで親しまれてきました。
 「東北女子職業学校」を母体に、衣食住という「生活と文化」を基軸に据え、現実の社会生活に貢献しうる「実学」を重視する教育機関として、明治、大正、昭和、平成と、東北、仙台における日本社会の近代化の一翼を担ってきました。
 昭和26年(1951)三島学園女子短期大学、昭和33年(1958)三島学園女子大学が設置され、三島学園創立以来の女子教育の伝統を受け継ぐと同時に、生活することの原理、原初に立ち返り、実験、実習、実技授業を重ね、実証していくという教育と研究の姿勢を貫いております。いわば、「学問のすすめ」の福沢諭吉が語る「サイエンスとしての実学」を大事にしていると言えないでしょうか。

 さて、一昨年から現在に至るまで、新型コロナウイルスが蔓延し、いまだに収束していません。マイナスの意味で、「グローバルな地球社会」の大波に呑み込まれてしまいました。その影響を受け、学生生活に支障を来たしました。しかし、それにもかかわらず、一生懸命勉学に励んだ結果なのでしょう。短期大学部での食物栄養学専攻「令和4年度校外実習報告会」、子ども生活専攻「令和4年度実習実践報告会」、家政学部での「令和4年度大学家政学科専門研究・課題研究発表会」、「令和4年度教育実習・栄養教育実習報告会」、美術学部での「第55回卒業制作展」などにおいては、真摯に学業、制作に立ち向かい、プレゼンテーションのスキルも身につき、とても成長を感じることができました。
 「体育祭」「大学祭」、さらにはエルパーク仙台での「ファッションショー外部公演」での、皆さんの生きるエネルギー溢れる姿を見ても、わたくしはそのように感じ取っています。

 三島学園には、三島よし校長の親族である齋藤實(まこと)子爵(第30代内閣総理大臣)御手植えの紅梅白梅が毎春咲いています。旧正門の近くで、現在、白梅がほぼ満開になっています。「時に、初春の令月にして、気淑く風和はらぐなか(註1)」、清く、正しく、健やかに、時代とともに年輪を重ね、咲いてきた梅花であります。このように、三島学園も年輪を重ね、今後も歩んでいきたいと思っています。
 卒業生の皆さんも、春に梅花、桜花咲きほこる、この虹の丘で過ごした日々を胸に抱き、集い、懐かしんでいただきたいと思っています。学生時代の友情は一生続くものです。そのために、本学の校訓「励み、謹み、慈み」が必要なのかもしれません。
 わたくしのささやかな経験をお話ししますと、学生食堂などで行き交うと元気よく「こんにちは」と声をかけてくれます。ボランティアサークルの学生から「水中花」、そして授業で作った「林檎ジャム」のプレゼントを受けました。窓辺に飾ったり、朝食にいただいております。このような優しさ溢れる作法に、わたくしは癒されております。
 卒業後、心の奥深くに宿る本来の真の「自分自身、自己」の姿を、一生懸命働くなかで、ふとおのずから自覚できることがあるかもしれません。そうなりますと、個人としての主体性が発揮でき、人生百年時代の楽しみや自由を享受できるのではないでしょうか。このような自己探求を一人ひとりが実践していきますと、「ローカルな地域社会」、すなわち東北、仙台の生活と文化が、多様性に満ちたエネルギーの束となって生み出されてくるでしょう。
 21世紀は、「グローバルな地球社会」と「ローカルな地域社会」が組み合い、結びつかなければなりません。その理想的な形を実現すべく、卒業生の皆さんをはじめ、若人の活躍する21世紀であると確信しております。東日本大震災から12年が経過しましたが、皆さん一人ひとりが社会に貢献できることがきっとあるのです。

 教職員一同、同窓生一同、皆さんの御卒業を心からお祝いし、本来の自己探求に励み、「グローバルな地球社会」および「ローカルな地域社会」の一員として成長なさることを祈念し、式辞といたします。

令和5年3月15日
東北生活文化大学・東北生活文化大学短期大学部
学長 佐藤一郎

 

註1 「令和」の典拠は、『万葉集』巻五の「梅花謌卅二首并序(梅花の歌三十二首、并せて序)」にある一文である書き下し文を掲げる。「時(とき)に、初春(しよしゆん)の令月(れいぐゑつ)にして、気(き)淑(よ)く風和ぎ(かぜやはら)、梅(うめ)は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す。」

movie

生文大通信

先輩が入学を決めた理由

仙台市泉区虹の丘一丁目18番地の2
022-272-7511   022-301-5602