服飾文化専攻では、4月中服飾講座を配信します。
専攻で学ぶことのできる生活文化や服飾文化、教育等、様々な知識をお伝えしていきます。(毎週月曜・木曜に更新予定)
服飾講座⑦「アパレル品質管理論」
こんにちは。自宅に長時間いる事で生活リズムが乱れがちな人もいるかもしれません。衣生活の面では、起床後すぐに寝衣から普段着に着替える事も生活リズムを整えることにつながります。引き続き体調管理に努めましょう。
さて、最終回となる服飾講座では、「アパレル品質管理論」についてです。
5月になると気温も上昇してきます。快適に過ごすには着装方法の工夫、機能素材の着用等工夫していると思います。特に、これからの季節で着用機会が多いと思われる「涼しくいられる」肌着の原理を皆さんは説明できますか?
「涼しさにつながる」項目を被服で考えてみましょう。言い換えれば、「暑苦しさを解消する事」です。とすれば、着用時に肌触りが冷たく感じられる、蒸れにくい、汗をすぐ吸って乾く、べとつかない等が挙げられるでしょう。これを機能面に置き換えると、接触冷感、吸湿・放湿(速乾)性、吸水性等になります。
暑い季節を快適に過ごす商品が沢山ありますが、品質管理では基本的な項目(物性試験・製品試験・染色堅ろう度試験)に加え、機能性の項目も評価する必要があります。今回の涼しさに関連するものとして、接触冷感性試験、吸放湿性試験、吸水速乾性試験等が機能性評価項目として加わります。このように品質管理は用途や機能性に応じて多角的に行われているのです。さらに、ビジネスでは製品そのものの品質管理はもちろん、顧客や社会の要求項目に対してニーズにあった製品やサービスを提供できているか、広義の品質管理も重要です。
服飾文化専攻では被服繊維学実験・被服材料学実験・被服整理学実験・染色加工学実験が開講されていますが、「アパレル品質管理」の品質評価と深く関連しています。
涼しさや暖かさをもたらす肌着の原理と評価のための試験法等についてぜひ調べてみて下さい。また、今後、生活の快適性をさらに向上させるにはどんな被服があればいいか考えてみましょう。 by 井上