服飾文化専攻では、4月中服飾講座を配信します。
専攻で学ぶことのできる生活文化や服飾文化、教育等、様々な知識をお伝えしていきます。(毎週月曜・木曜に更新予定)
服飾講座③「化学」 By Kanno
一言で化学と言っても、非常に奥深く幅広い学問領域であり、大きな体系で分別すると『有機化学』『無機化学』『物理化学』『分析化学』の四大分野があります。これを化学の古典的な四大分野とも言います。ところで、大学で服飾の分野を学ぶ場合、「なんで化学の勉強をしなくちゃいけないの?」と思うかもしれません。そもそも、化学は物質を扱う学問であるため、服飾の分野に限らずあらゆる分野で縁の下の力持ちといえば化学なのです。言い換えると、化学の恩恵なくしては現代の快適で安全な人間生活はあり得ません。
ここで少し難しい話ですが、私たちが生きていることを含めて、生命現象を理解するためには、生体を構成している物質の分子構造、およびそれを組み立てている結合のしくみを理解することが必要になってきます。というのも、人間の生命維持は体内のタンパク質・核酸・多糖・脂質などが関連する代謝、つまりは複雑な化学反応によりもたらされるからです。
話は変わりますが、今現在、毎日毎日、新型コロナウィルスの話題で持ちきりです。このような状況下、「ウイルスって何ですか?」と聞かれた場合、皆さんは答えられるでしょうか。この答えではありませんが、今回の新型コロナウイルスに対する一化学者として私の見解は、「新型コロナウイルスと戦ってはいけない、とにかく逃げるだけだ」ということです。一見ペシミストにみえる、このような見解をなぜ私が持っているのか、講義が再開したら皆さんに説明したいと思います。が、その前に、皆さん自身が自分の身を守るために、化学的視点からウイルスについて調べてみることを強くお勧めします。